だって(仮)だもの。


◻︎

(帰ってきた!)

「お帰りなさーい」

 言いながら、玄関まで出迎えに向かう。

「おお、ただいま」
「お父さん、今日はいきなり電話したのにありがとう」

 直接お礼を伝えたくて、待っていたのだ。

「花は何とかなりそうか?」
「とても感じのいい人が電話応対してくれて、要望も全部聞いてもらえたわ」
「それならよかった。万事上手くいくといいな」
「うん……」
「何だ? ほかにも何か困り事があるのか?」

 お父さんは私に甘く、私の不安は何だって取り除こうとしてくれる。
 だから、私のほうも、ついつい正直に話してしまう。

「寛太郎は、私が勝手に動いたことを怒ってて」
「……そうか」

 毎度同じような話なのに、きちんと聞いてくれる。