だって(仮)だもの。


 寛太郎が怒っていたのは、私に対してだ。

「えー、怒ってたと思いますよー。でも……会長はそういう厳しいところも含めてカッコいいから、いいんですけどね」
「分かる!」

 女子だけでなく男子まで、うんうんと頷く。

 こういうとき、敵わないなあ、と思う。
 それと、ズルい、とも。
 寛太郎はいとも簡単に、周りを魅了してしまうのだ。

 でも、羨んだってどうにもならない。
 私は私に出来ることをすればいい。
 正攻法で手助けするのみ。

「初めてのことばかりだから、また困ることが出てくるかもね。プロムが無事に終わるまで、いつでも相談して」

 はーい! と元気のいい返事が戻ってくる。

(これは、本当に最後まで気を抜かないほうがいいかな?)

 ほんの少し覚悟したのだった。