だって(仮)だもの。


「お父さん、ありがとう」
「薫子と薫子の学友にとって、プロムがいい思い出になるなら、このくらい何でもないよ。今すぐ花屋に電話してみるから、少しだけ待っていなさい」

 言葉通りに、すぐ電話してくれたらしい。
 少しだけ待っていると、お父さんからメッセージが届く。

『マシューズ学園の生徒会だと伝えればいい』

 その下に電話番号もある。

 安堵して、スマホを胸にぎゅっと押し当てた。

(早くみんなに教えてあげよう!)

 生徒会室に戻ろうと、パッと顔を上げる。

「きゃっ」

 前に出すはずだった足は、キュッっと音を立てて後ろに下がった。

「寛太郎! びっくりするじゃない」

 そう言って責めながら、内心ではビクビクしていた。

(やっぱりあのときに見られてたんだ……)