星の雫 ~私の彼はヤクザの跡取り~

私は少しの沈黙の後、ベンチから立ち上がると
そのまま真っ直ぐプールサイドの方に向かった。


「え!?ヒカリ、危ないよ!」


するとその様子を見たハルカ君は慌てながら
私を追い掛けてきて、咄嗟に手を握った。


「…ハルカ君、少しだけプールの中に足だけ付けていい?」


私は手を握り締めたハルカ君の方を見て微笑んだ。


「え?」


ハルカ君は不思議そうな表情をしていたが


「私、生まれてからプールに入った事ないから...。
ずっと見学ばかりだし…だから足だけでも入れてみたいなって思って」


私がそう言うと、ハルカ君は私の突然の行動に戸惑っていたが

「…分かった。俺が支えとくから、
気を付けて入って」

心配そうに言ったハルカ君に「ありがとう」と笑いながら、裸足になった私がプールサイドに腰を下ろす時に身体をしっかりと支えてくれた。