星の雫 ~私の彼はヤクザの跡取り~

ハルカ君と有馬君のやりとりを聞き
それを微笑ましく見ていれば

「おい、柏木、有馬、何やってるんだー!
サボってないで戻ってこい!」

と、先生の大声が聞こえ…

「げ…そろそろ行くか。
じゃあまたあとでね、木藤さん」

そう言って有馬君はハルカ君よりも一足先に去って行った。


「ハルカ君も早く戻った方がいいよ。
先生に怒られちゃう」


私は苦笑いしながらハルカ君の方を向いて言えば

「うん…そうだね」

ハルカ君は私に優しい笑みを浮かべると


「ヒカリはさ、」


私の名前を呼んで何かを言い掛けたが


「…いや、やっぱり何でもない。
授業中に話し掛けてごめんね。俺も戻るね」


ハルカ君は一瞬ぐっと口をつぐむと
特にそれ以上の事は言わず、皆の元に戻って行った。