「……え? 秘書課?」
なんで?
私は営業部なのに?
どうしてと尋ねる前に、次の書類がやってくる。
「こちらにサインをお願いします」
「はい?」
次にテーブルに出されたのは、機密保持契約書。
「一般社員よりも機密事項に触れる機会が増えますので、個別契約となっております」
いやいや、待って。
淡々と話が進んでいるけれど、まだ秘書課のところから納得できていないんですけど!
「こちらのペンをどうぞ」
「あ、ありがとうございます……? ではなくて、あの、秘書課って」
「決定事項ですので」
そうではなくて~!
手渡されたペンはずっしり重く、高級そうだ。
小さい文字の難しい単語で書かれた機密保持契約をこの場で読んですぐサインしろって、無茶でしょ!
「騙すような内容は書いてない」
横からトントンと書類を叩きながら言った男性の言葉を信じることにした沙紀は、全部読むのは諦め、一番下に署名した。
沙紀がサインした機密保持契約書を受け取った夏目は日付とサインを確認すると、沙紀の隣の男性を紹介するかのように手を伸ばした。
「こちらは東雲CEOの孫、東雲暁良様です」
「……孫?」
東雲CEOの年齢はわからないけれど、白髪のおっとりとしたお爺さんだ。
それなのにこんな黒豹みたいな人が孫?
全然タイプが違う!
「次の株主総会でCEOに就任されるためアメリカから帰国したばかりです」
「は、はい?」
次の株主総会がいつなのかも知りません~!
「私は相談役として会社に残られる宗一郎様の秘書と兼任しますので、工藤さんは暁良様の専属秘書をお願いします」
待って、待って。秘書って何をするの?
秘書の経験も資格もなにもありません~!
なんで?
私は営業部なのに?
どうしてと尋ねる前に、次の書類がやってくる。
「こちらにサインをお願いします」
「はい?」
次にテーブルに出されたのは、機密保持契約書。
「一般社員よりも機密事項に触れる機会が増えますので、個別契約となっております」
いやいや、待って。
淡々と話が進んでいるけれど、まだ秘書課のところから納得できていないんですけど!
「こちらのペンをどうぞ」
「あ、ありがとうございます……? ではなくて、あの、秘書課って」
「決定事項ですので」
そうではなくて~!
手渡されたペンはずっしり重く、高級そうだ。
小さい文字の難しい単語で書かれた機密保持契約をこの場で読んですぐサインしろって、無茶でしょ!
「騙すような内容は書いてない」
横からトントンと書類を叩きながら言った男性の言葉を信じることにした沙紀は、全部読むのは諦め、一番下に署名した。
沙紀がサインした機密保持契約書を受け取った夏目は日付とサインを確認すると、沙紀の隣の男性を紹介するかのように手を伸ばした。
「こちらは東雲CEOの孫、東雲暁良様です」
「……孫?」
東雲CEOの年齢はわからないけれど、白髪のおっとりとしたお爺さんだ。
それなのにこんな黒豹みたいな人が孫?
全然タイプが違う!
「次の株主総会でCEOに就任されるためアメリカから帰国したばかりです」
「は、はい?」
次の株主総会がいつなのかも知りません~!
「私は相談役として会社に残られる宗一郎様の秘書と兼任しますので、工藤さんは暁良様の専属秘書をお願いします」
待って、待って。秘書って何をするの?
秘書の経験も資格もなにもありません~!



