結婚の決め手は焦げた玉子焼き!?黒豹御曹司は愛する秘書を逃がさない

 沙紀はくるみが含まれている商品を検索し、なんとなくイメージを掴んだ。
 ドレッシングだけでなく、パンに塗るペースト状の物にも含まれていることもあるそうだ。
 クッキーやケーキももちろん注意。
 くるみパンはもちろん、ほうれん草のくるみ和えや、豚肉と炒めている料理もあるらしい。

 これからはちゃんと成分表示を見て買わないと。
 
「工藤さん、16時からの資料を一部印刷。そろそろサーバーにアップされます」
「はい、すぐに」
 指定フォルダにファイルが入っていることが確認できた沙紀は、すぐに印刷する。
 経営会議の資料ってこんなに細かいんだ。
 
「おまたせしました」
 印刷した書類を手渡すと、夏目はすぐにチェックしなくてはならない項目だけにマーカーを引いた。

 あとであの資料を見せてもらおう。
 次からは私がマーカーを引いて渡せるように。
 
「暁良様。16時からの経営会議は営業部も参加しますが、工藤さんも参加でよろしいですか?」
「あいつも参加か?」
「営業部長ともうひとり参加できますので、可能性はゼロではないです」
 そういえば、経営会議に出ることが営業部の中では目標だった。
 
 大きな受注、新規取引先の獲得、営業成績ナンバーワン。
 部長が報告したいと思った案件の担当が選ばれるのだが、担当者にとっては役員に自分の名前を覚えてもらえるチャンスなのだ。
 経営会議には、大輝が来る可能性が高い。
 だって、大輝は営業部のエースだから。

「では、沙紀は……」
「行きます」
「無理するな」
「仕事は仕事です。あの人がイヤだから会議に出ないはありえません」
 正直、顔も見たくない。
 でもそれを理由に仕事をしないのはダメだ。

「変な報告だと思ったら、遠慮なくツッコんでいいぞ」
 発言権をやると言われた沙紀は、初回は大人しくしますと気弱な返事をし、二人に笑われてしまった。