結婚の決め手は焦げた玉子焼き!?黒豹御曹司は愛する秘書を逃がさない

    ◇

 見知らぬベッドの上で目が覚めた沙紀は、一瞬飛び起き、枕に逆戻りした。
 まさかとは思うが、これは二日酔いだ。
 ふかふかのベッドに広すぎる部屋。
 窓の外は青空。日差しが差し込むのに暑くなく、ほど良く空調が効いた部屋。
 
 昨晩、暁良とワインを飲んで、愚痴って、泣いて、寝た……?
 今更ながら自分の昨晩の行動が恥ずかしくなってくる。
 反省しないといけないのに、頭痛のせいで頭が働かない。
 沙紀はうめき声を上げながら布団に顔を埋めた。
 
 ノックの音が聞こえ、扉が開く音が聞こえる。
 
「……起きたか?」
「あっ、昨日は……」
「起き上がらなくていい」
 二日酔いだろう? と笑いながら入ってきた暁良の手にはペットボトルの水が握られていた。
 
「水分を取った方がいい」
 沙紀を起き上がらせ、暁良はふたを開けた水を手渡してくれる。
 飲み終わった沙紀から水を受け取ると、隣の棚へ。
 もしかして、今の私は介護状態?
 
「なにか食べられそうか?」
「あ……まだちょっと……」
「では、もう少しあとにしよう」
 沙紀の目元をそっと撫で、腫れてしまったなと暁良が呟く。
 鏡は見ていないのでどんなひどい状態か確認できないが、瞼が重たいので腫れているのは間違いない。
 恥ずかしくなった沙紀は枕に逆戻りした。
 
「右側を下にして寝ると良いそうだ」
 暁良は沙紀の頭を優しく撫でて部屋を出ていく。
 パタンと音がしたあと、沙紀は真っ赤な顔になった。
 
 ……スパダリでは?