祐太郎君からしたら、都合の良い女なんだろうな。
突然再会した興味のあった同級生。
少し駆け引きを楽しんだら、ホイホイ引っかかる。
ラッキーな事に、出張のついでに会える。
今まで数多くの女の子を泣かせてきたであろう祐太郎君は…、なんだろう?
「こいつは絶対俺に夢中になる」
という感覚を、肌で感じる能力でもあるのだろうか?
絵奈はいくら口で「駄目」なんて言っても、本心を見透かされているかの如く、いとも簡単に虜にさせられた。
午後12時半、東京駅。
祐太郎が駅の改札を抜け、目が合った2人は少しばつが悪そうにしながら歩み寄った。
祐太郎も奥さんや子どもに罪悪感とかあるのだろうか?
絵奈は上目遣いで祐太郎を見上げ、気まずそうにしている。
「来ちゃったよ」
「ふっ。こっちで会っちゃったね…。手、繋いでみる?」
「…うん!」
祐太郎が手を差し伸べると、絵奈は振り切ったように祐太郎の手を握った。
「ねぇねぇ、何食べる?」
「そうだね、、俺、絵奈に会えただけで緊張してて決めらんない」
「嘘!大人のイケオジの余裕は?」
「ないない笑、ありません」
帰りの新幹線が15時という事なので、駅付近の定食屋に入る事にした。
「不倫ってさぁ、もっとこう、、大人なバーとかで肩を寄せ合うようなイメージがあったけど。意外と普通だね」
絵奈はセルフサービスのほうじ茶を祐太郎に差し出した。
「このお茶、うまっ。絵奈が入れてくれたからかな?」
「何それ。セルフのボタン押しただけですけど?」
「いや、、不倫っぽくしたいのかなって思って」
祐太郎はイケメンだけど、少し天然な所があって、そんな所が好きだったなぁと胸が高鳴った。
…やっぱり不倫っぽいや。
大人なバーじゃなくても、同級生に昔を思い出してときめくなんて、不倫以外の何者でもない。
「お待たせいたしました。鯖の塩焼き定食ふたつです。」
店員がそれぞれの席に「鯖の塩焼き定食」トレーを丁寧に置いてくれた。
「ねぇねぇ、なんかさ、2人とも同じメニュー頼んだから、給食を思い出すね!」
「給食、懐かしいな。俺、お前の牛乳何回も貰ってあげたけど覚えてる?」
「全然!!」
「マジかよ。悲しいなぁ。あの時はなぁ俺、善意で飲んであげてたんだぞ。」
「祐太郎からは冷凍みかんとプリン奪われた記憶しかないわ。食べ物の恨みって恐ろしいね」
「マジで?全然覚えてねぇな。ごめんね」
昔の思い出話に、2人の話が尽きることはなかった。
面白い友達の話、嫌いだった先生の話…、
気付いたら14時近くをまわっていた。
突然再会した興味のあった同級生。
少し駆け引きを楽しんだら、ホイホイ引っかかる。
ラッキーな事に、出張のついでに会える。
今まで数多くの女の子を泣かせてきたであろう祐太郎君は…、なんだろう?
「こいつは絶対俺に夢中になる」
という感覚を、肌で感じる能力でもあるのだろうか?
絵奈はいくら口で「駄目」なんて言っても、本心を見透かされているかの如く、いとも簡単に虜にさせられた。
午後12時半、東京駅。
祐太郎が駅の改札を抜け、目が合った2人は少しばつが悪そうにしながら歩み寄った。
祐太郎も奥さんや子どもに罪悪感とかあるのだろうか?
絵奈は上目遣いで祐太郎を見上げ、気まずそうにしている。
「来ちゃったよ」
「ふっ。こっちで会っちゃったね…。手、繋いでみる?」
「…うん!」
祐太郎が手を差し伸べると、絵奈は振り切ったように祐太郎の手を握った。
「ねぇねぇ、何食べる?」
「そうだね、、俺、絵奈に会えただけで緊張してて決めらんない」
「嘘!大人のイケオジの余裕は?」
「ないない笑、ありません」
帰りの新幹線が15時という事なので、駅付近の定食屋に入る事にした。
「不倫ってさぁ、もっとこう、、大人なバーとかで肩を寄せ合うようなイメージがあったけど。意外と普通だね」
絵奈はセルフサービスのほうじ茶を祐太郎に差し出した。
「このお茶、うまっ。絵奈が入れてくれたからかな?」
「何それ。セルフのボタン押しただけですけど?」
「いや、、不倫っぽくしたいのかなって思って」
祐太郎はイケメンだけど、少し天然な所があって、そんな所が好きだったなぁと胸が高鳴った。
…やっぱり不倫っぽいや。
大人なバーじゃなくても、同級生に昔を思い出してときめくなんて、不倫以外の何者でもない。
「お待たせいたしました。鯖の塩焼き定食ふたつです。」
店員がそれぞれの席に「鯖の塩焼き定食」トレーを丁寧に置いてくれた。
「ねぇねぇ、なんかさ、2人とも同じメニュー頼んだから、給食を思い出すね!」
「給食、懐かしいな。俺、お前の牛乳何回も貰ってあげたけど覚えてる?」
「全然!!」
「マジかよ。悲しいなぁ。あの時はなぁ俺、善意で飲んであげてたんだぞ。」
「祐太郎からは冷凍みかんとプリン奪われた記憶しかないわ。食べ物の恨みって恐ろしいね」
「マジで?全然覚えてねぇな。ごめんね」
昔の思い出話に、2人の話が尽きることはなかった。
面白い友達の話、嫌いだった先生の話…、
気付いたら14時近くをまわっていた。

