「ただいま」
結局実家に到着したのは夜10時過ぎだった。
起きていたのは信一だけだ。
今一番会いたくない人。
「お帰り。結ちゃん元気だった?」
「遅くなってごめんね、結構のんで来ちゃった。結は相変わらず!胡桃は泣いてなかった?」
「全然。たまにしか帰れないんだから大丈夫だよ。胡桃はバァバと寝ちゃったよ。明日はお義母さんとSwitchのソフト買いに行く約束してはしゃいでたよ!」
「えー、Switchのソフト増えるのか…笑」
「まぁまぁ、胡桃もお義母さんも楽しみにしてるから。お風呂暖かいうちに入ってきなよ。追い焚きしとくよ」
信一が温めてくれた浴槽に浸かると、家族の温もりに心が締め付けられて涙が出てきた。
「あったかいなぁ…」
冷えた身体が、徐々に芯まで温まっていく。
駄目だ。この夫を、家族を裏切るなんて絶対に出来ない。
祐太郎君、随分自己中な人だったな。
昔からこんなんだったっけ?忘れちゃった。
でも、正直めちゃくちゃカッコよかった。
甘えるような大きなタレ目に通った鼻筋、全然もたついてないフェイスライン。
刻まれた目元の小皺が、逆に凄くセクシーだった。
確かに若い女の子にもまだまだモテそうって思った。
こんなおばさん、何で相手にしたんだろう。
同級生マジックと、偶然マジック、お酒マジックだろうな。
私は…。
いつも変わり映えしないセミロングの髪型。体型は若い頃とそんなに変わってないものの、何もかもパッとしない平凡な主婦。
服装もユニクロのワンピースだった。
私の何が良くてあのイケオジの心を掴んだのかは謎だが、どう見ても釣り合わないし、オジサンの火遊びになんか絶対になびいちゃ駄目だ。
絵奈が風呂からあがると、部屋では既に信一が寝息を立てていた。
久々の深酒で疲れ果てた絵奈は、倒れるように布団へ潜り込みそのまま深い睡魔へと襲われていった。
祐太郎のラインはブロックしなかった。
また明日すればいいやと思った。
結局実家に到着したのは夜10時過ぎだった。
起きていたのは信一だけだ。
今一番会いたくない人。
「お帰り。結ちゃん元気だった?」
「遅くなってごめんね、結構のんで来ちゃった。結は相変わらず!胡桃は泣いてなかった?」
「全然。たまにしか帰れないんだから大丈夫だよ。胡桃はバァバと寝ちゃったよ。明日はお義母さんとSwitchのソフト買いに行く約束してはしゃいでたよ!」
「えー、Switchのソフト増えるのか…笑」
「まぁまぁ、胡桃もお義母さんも楽しみにしてるから。お風呂暖かいうちに入ってきなよ。追い焚きしとくよ」
信一が温めてくれた浴槽に浸かると、家族の温もりに心が締め付けられて涙が出てきた。
「あったかいなぁ…」
冷えた身体が、徐々に芯まで温まっていく。
駄目だ。この夫を、家族を裏切るなんて絶対に出来ない。
祐太郎君、随分自己中な人だったな。
昔からこんなんだったっけ?忘れちゃった。
でも、正直めちゃくちゃカッコよかった。
甘えるような大きなタレ目に通った鼻筋、全然もたついてないフェイスライン。
刻まれた目元の小皺が、逆に凄くセクシーだった。
確かに若い女の子にもまだまだモテそうって思った。
こんなおばさん、何で相手にしたんだろう。
同級生マジックと、偶然マジック、お酒マジックだろうな。
私は…。
いつも変わり映えしないセミロングの髪型。体型は若い頃とそんなに変わってないものの、何もかもパッとしない平凡な主婦。
服装もユニクロのワンピースだった。
私の何が良くてあのイケオジの心を掴んだのかは謎だが、どう見ても釣り合わないし、オジサンの火遊びになんか絶対になびいちゃ駄目だ。
絵奈が風呂からあがると、部屋では既に信一が寝息を立てていた。
久々の深酒で疲れ果てた絵奈は、倒れるように布団へ潜り込みそのまま深い睡魔へと襲われていった。
祐太郎のラインはブロックしなかった。
また明日すればいいやと思った。

