【短編】共依存派の貴方依存

ずっと思っていた。
誰も僕自身を、玲央自身を必要としない世界で、生きる意味は2人でいることだけなのではないのだろうか。
じゃあ、2人で死ねばこれ程の幸福はあるのだろうか。
はたから見れば、狂ってるとか、行き過ぎな依存だとか思うかもだけど、僕からすればこれが普通で、依存に対しての幸福感しかない。
学校だったり社会だったりからも抜け出した。
人気のある歩道橋で、この世界で生きている人間への小さな復讐として、誰かが目の前で死んだというトラウマを植え付けてやる。
「ハハッ、」
自嘲的な笑みを零した2人には何も思い浮かばなかった。
落ちようとした途端、
「依田!真白!」
ガッと手首をつかまれた。
振り返ると、七倉先生がいた。
やめてくれ、止めないでくれ。
そんな重い想いが募った。
隣の彼女に縋るようにして顔を向ける。
玲央は狂気に満ちた顔をして、意外にも穏やかな声で先生の良心を剥いだ。
「先生、やめてください」
「…っは?」
先生は何を言っているんだという顔。
「助けてくれなかった人間なんて、わたし達以外滅んで仕舞えばいいんです」
彼女の言葉は、僕の言いたいことの全てだった。
でも、そんな言葉も届かなかった。
先生は周りに訴えかけて、僕と玲央を引き剥がした。
「玲央ッ!」
「奏くんッ!!」
何度も名前を呼んで叫んだ。
死に物狂いで必死にもがいた。
意味はなかったけど。