思い出せなくなるその日まで

彼は、冬が好きだった。

私は今、彼が好きだった冬の上で、
いつかした喧嘩を思い出している。

春になればまたきっと、
花は咲くんだけど、
もうなにもなにもできないままで、
誰も誰も悲しいままで

何度でも言う。

例えば、彼といた日々を記憶の全てを消し去ることが出来たとして、もうそれは私ではないと思う。悲しみひとつを分け合っていたのだから。

私の半分は彼で、
彼の半分は私でできていたのね。
それならこんなに痛いのも涙が出るのもきっと私だけじゃないのね。

きっと忘れない。 思い出せなくなるその日まで。