「ちゅ、中学のとき…っハルと付き合ってるって勘違いされたりとか、……ハルのこと好きな子たくさんいたでしょ?その子たちにハルのこと聞かれたりとか……
いろいろ嫌だったの…!」
「…」
全部事実だ。
それでわたしは……。
「だから高校では…他人のふりしてほしいの……」
「……」
ひどいことを言ってるのはわかってる。
だけどこの時のわたしはーー自分のことしか考えられなかった。
ハルの気持ちなんてーー
なにひとつ、考えていなかったんだ。
「小夏………」
ーーぽん、
ハルの手のひらが伸びてきて、わたしの頭の上を一度撫でた。
「……ん、わかった」
ハルが小さく笑ったから、わたしは正直……ほっとしたんだ。
ハルの心がどんな気持ちかなんて…
このときのわたしは知る由もなかった。



