孤高の総帥は初めての恋に溺れる

碧斗もなんだかんだ言いながらお爺様が
大好きなのだと知ってロンドンに来て
よかったと心から思う穂香だった。

ラッセル卿は穂香にもお爺様と呼ぶように
言ってくれた。

お爺様に碧斗との結婚を賛成してもらえて
穂香はほっとした。きっと大反対される
だろうと覚悟してきたのだ。

優しいお爺様の弾けるような笑顔を見て
碧斗も安心したようだ。

そして結婚したら、ラッセルを名乗り穂香
が良ければイギリス国籍を取ると言って、
お爺様をうれし泣きさせた。

それを見ると穂香は嫌とは言えなくて、
父と母には申し訳ないが、瀬古の名前は
妹に守ってもらわないといけないと思った。

日本に帰ったら碧斗と二人で報告に
行かなければならない。

話すことがもりもりだ。

そして2日後郊外のラッセル城に二人で
出かけてそこでもラッセル家の財力を
思い知らされた。

ロンドンのお屋敷も途方もなく広く門から
玄関まで車で行くのだが、広大な前庭と裏庭
があってロンドンシテイにこの広さのお屋敷
を構えるラッセル家の歴史と財力を感じたが
お城はそれ以上だった。

ここにはお城の管理人や庭師達が家族で
住んでいて、いつ行っても快適に滞在できる
ように整えていてくれるそうだ。

もう穂香はお金がどうのとか使用人は何人
いるのだろうとか、些細な事を考えるのは
止めにした。