孤高の総帥は初めての恋に溺れる

そして、1時間余りラッセル卿の病室で
過ごした二人は碧斗のロンドンの邸宅に帰る
と言って辞去しようとすると

「テオ、何日くらい居れるんだ?穂香さんを
ラッセル城にお連れしてせめて1泊でもして
くるといいのに」

「うん、そのつもりだよ。ロンドンに2泊
して城にも連れていく。帰りにロンドンで
もう2泊するつもりだ」

碧斗がそう言うとラッセル卿は秘書で執事の
アーノルドに

「アーノルドすぐに帰るぞ、今日は穂香さん
の歓迎の晩餐会だ。すぐに手配しろ」

「何言ってるんだ。アーノルドが爺さんが
弱ってるからすぐに会いに来いと言うから
飛んできたのに、元気すぎるじゃないか」

と碧斗は呆れている。

「碧斗様のお顔を見て安心されたんですよ。
良かったです元気になって、じゃあすぐに
お屋敷に帰って晩餐会の準備をしましょう。
碧斗様は穂香様を観光にお連れされるんで
しょう?晩餐会は19時からでよろしい
ですね」

アーノルドはスキップしそうな勢いで、荷物
をまとめ始めた。

碧斗と穂香は顔を見合わせて噴き出した。

「まあ、元気になったならよかったよ。僕は
今から一度屋敷に寄ってからロンドン市内を
散策してくるよ」

穂香はロンドンは何度か来ているので、まだ
行っていなくて今回行ってみたいところを、
ピックアップしていたのだが、ロンドン子の
碧斗がいるなら彼に任せて観光地ではない
碧斗のおすすめの場所に連れて行ってもらう
事にした。