武庫川家やラッセル家の嫡子として家を
守っていかなければいけない。
武庫川には従妹や従兄弟が沢山いるけれど、
ラッセル家の血を継ぐのは碧斗一人なのだ。
祖父は武庫川ではなくラッセルを名乗って
欲しいといつも言っている。
そんな風に何かをしなければならないという
強迫観念がいつも心の奥底にあって、自分を
突き動かしているのを、初めて碧斗は意識
した。
穂香が欲しいと思うのは、水の中にいて息が
できない時の空気を求めるようなものなのだ
ろう 穂香が居なければもうこれ以上先には
進めないと言うより生きていけないのだ。
穂香は碧斗にとって大切な空気であり陽の光
なのだラッセルグループの総帥の座を
捨てても穂香を守り抜くと決めている。
それが碧斗の生きるすべなのだから…
そんな風に意気込んで祖父の入院している
特別室に乗り込んでいくと、碧斗を見た
とたん祖父は涙を流して碧斗に両手を広げて
ハグをした。
「碧斗、ありがとう、来てくれて…二度と
会わないなんて言うから生きる気力も
失くしたよ」
と、案外元気そうな祖父が言った。
「以外に元気そうじゃないか、爺さん。
まずは穂香に謝罪してほしい。ミレーヌ嬢の
雇ったごろつき3人に襲われたんだ。酷い
女だ。穂香が訴えなかったから強制送還で
済んだけど、僕は納得していないからな」
そう言って穂香を紹介した
「初めまして瀬古穂香と申します。お加減は
いかがですか?」
「穂香さん、本当に申し訳なかった。
ウインダム家のお嬢さんがまさかそんな犯罪
まがいの事を平気でするとは思っても
いなかった」
「ラッセル卿は何もご存じなかったのです
から、謝っていただくことなんかないんです
怪我もなく済みましたし、友人がいてくれた
ので助かりました。ちょっと擦りむいただけ
なんです。碧斗さんが大袈裟なんですよ。
却ってご心労をお掛けして申し訳ないくらい
です。日本からお酒とお饅頭をお土産に持っ
て来たんです。ぜひ召し上がって下さい」
そう言うと、碧斗が持っていた紙袋を渡して
くれた。
守っていかなければいけない。
武庫川には従妹や従兄弟が沢山いるけれど、
ラッセル家の血を継ぐのは碧斗一人なのだ。
祖父は武庫川ではなくラッセルを名乗って
欲しいといつも言っている。
そんな風に何かをしなければならないという
強迫観念がいつも心の奥底にあって、自分を
突き動かしているのを、初めて碧斗は意識
した。
穂香が欲しいと思うのは、水の中にいて息が
できない時の空気を求めるようなものなのだ
ろう 穂香が居なければもうこれ以上先には
進めないと言うより生きていけないのだ。
穂香は碧斗にとって大切な空気であり陽の光
なのだラッセルグループの総帥の座を
捨てても穂香を守り抜くと決めている。
それが碧斗の生きるすべなのだから…
そんな風に意気込んで祖父の入院している
特別室に乗り込んでいくと、碧斗を見た
とたん祖父は涙を流して碧斗に両手を広げて
ハグをした。
「碧斗、ありがとう、来てくれて…二度と
会わないなんて言うから生きる気力も
失くしたよ」
と、案外元気そうな祖父が言った。
「以外に元気そうじゃないか、爺さん。
まずは穂香に謝罪してほしい。ミレーヌ嬢の
雇ったごろつき3人に襲われたんだ。酷い
女だ。穂香が訴えなかったから強制送還で
済んだけど、僕は納得していないからな」
そう言って穂香を紹介した
「初めまして瀬古穂香と申します。お加減は
いかがですか?」
「穂香さん、本当に申し訳なかった。
ウインダム家のお嬢さんがまさかそんな犯罪
まがいの事を平気でするとは思っても
いなかった」
「ラッセル卿は何もご存じなかったのです
から、謝っていただくことなんかないんです
怪我もなく済みましたし、友人がいてくれた
ので助かりました。ちょっと擦りむいただけ
なんです。碧斗さんが大袈裟なんですよ。
却ってご心労をお掛けして申し訳ないくらい
です。日本からお酒とお饅頭をお土産に持っ
て来たんです。ぜひ召し上がって下さい」
そう言うと、碧斗が持っていた紙袋を渡して
くれた。



