孤高の総帥は初めての恋に溺れる

碧斗が仕事をしている間、穂香もダイニング
テーブルに座ってパソコンにプロットを
書き込んでいた。

ＣＡにカフェラテとスイーツを用意して
もらってまるで家にいるように寛いでいた。

先に仕事が終わった碧斗が一心不乱に
何やら書き込んでいる穂香のパソコンを
覗き込んで

「何々、シンガポールのカジノのデイーラーと
超絶イケメンの世界を股に掛ける一匹狼の
トレイダーの恋、なんかロマンチックだなあ」

「きゃあ、碧斗さん見ないでよ。恥ずかしい
じゃないですか」

「なにも恥ずかしがることはないよ。穂香が
小説を投稿しているのは知ってるよ。
ペンネームはたしかR797Xだよね。ラッセル
グループとしては、嬉しい限りだ」

「ええっ、そんなことまで調べたんですか
ひどい」

と言って、ぷんぷん起こって碧斗から顔を
そらした。

「そんなに怒らないでよ。でも全然怖くない
からね。ただただ可愛いだけだから」

そういって笑っている。

「ねえ、穂香お願いがあるんだ。できれば
仕事はやめてジョナサンと一緒に僕の秘書を
やってくれないかなあ。そうすれば穂香と
いつも一緒にいられるし、ジョナサンは仕事
の面で助けてもらって、穂香にはパーテイー
に一緒に出てもらったり社交面と僕の情緒面
を支えて欲しいんだ。穂香がそばにいる
だけで気持ちがリラックスして仕事も捗る
んだ」

「社交面なんて私はマナーも何もわからない
のに…」

「そんなのは少し講習を受けてもらえれば
穂香ならすぐに覚えるし、英語もできるんだ
問題ないよ。それに穂香は隣で笑っていて
くれればそれで僕は助かるんだ。香水の匂い
をプンプンさせて、しなだれかかってくる
女性たちを牽制できるし婚約者として僕が
しっかり穂香を守るよ」

穂香は少し考えさせてと答えた。