孤高の総帥は初めての恋に溺れる

優依が地下鉄で会社まで帰るというので、
二人で散歩しながら駅まで送ることにした。

歩いて１０分もかからない距離なので安心
していたら

「穂香、後ろから車が来てる。ちょっと
怪しい。やけにのろのろ運転してる。」

穂香は手鏡を出して確認している。

「三人いる。優依、駅まで走って優依迄巻き
込んでごめん」

「何言ってんのよ。いくら穂香でも三人は
無理だよ。一人くらいならまだ大丈夫。
こないだ久しぶりに道場に行ったんだ。
リフレッシュしにね。丁度よかったわ」

「よくないけど、もうすぐ車から飛び出して
きそう」

そう言った途端、車が二人の横に止まって
助手席と後部座席から２人の男が飛び出して
きた。

一人は運転しているので少し遅れた。

というより自分が出るまでもないと思って
いたのだろう。穂香たちを引きずり込んだら
すぐに車を出せるようにと思っていたようだ

だから、出るのがかなり遅れたのだ。

「穂香、背の高い方まかせて」

そう言うと優依は体制を低くして男に足払い
をかけた。

背中から倒れた男に優依は全体重をかけて
喉に肘鉄を食わせた。

男は失神したようだ。

穂香はもう一人の男が伸ばした手を掴んで
思いっきり股間を膝で蹴り上げた。

悶絶する男には目も向けず時間差で前から
突進してくる男のお腹に飛び蹴りを
お見舞いした。

男は車にぶち当たったが、倒れはしなかった

その時横から優依が自分のバッグで男の頭を
ぶん殴った。

ついでに穂香は股間を蹴り上げた。

その男も歩道に倒れて体をエビの様に曲げて
呻いている。

ほんの２～３分の間に二人で三人の男を
のしてしまった。

二人はハイタッチをして、声をあげて笑った

「優依、もう空手止めて何年もたつのに
相変わらず強いね」

そう言って穂香は優依にサムズアップした。

「穂香は相変わらず、股間攻撃が上手いわね
二人は当分の間使い物にならないわね」