孤高の総帥は初めての恋に溺れる

穂香はなるべく空港の目立たない所で乗り
降りさせてもらっているのだが、会社の人に
見られるのは時間の問題だろうと思っている
　
ドイツ車の黒塗りのセダンで運転手が必ず
ドアを開けてくれるので、いたたまれない。

何度言っても総帥に叱られるの一点張りで
穂香は折れるしかなかった。

こんな所家族や親友達が見たら、目を
まんまるにして口パク状態になるだろう。

それを想像すると、笑えてしまうので
せめてものストレスのはけ口にさせて
もらった。

ミレーヌの件が片付いて送り迎え
だけは止めてもらえるとありがたい。

そんなこんなで心底疲れてきた穂香は親友の
優依に会って元気をもらいたかった

優依は親友4人の中では姉御肌で頼りに
なる存在なのだ。

優依にはっぱをかけてもらえればきっと
元気になれるに違いない。

優依に連絡するといつでも時間を合わせると
言ってくれた。

優依は最近転職して結城グループの副社長の
秘書をしている。

結構時間は融通が利くというので、穂香の
休みの日に合わせてくれて、結城グループの
運営するホテル・ラ・ルミエール東京の
ラウンジでランチをすることになった。

碧斗は穂香が一人で出かけるのを心配したが
行きも帰りも車で送ってもらうので、心配
ないと言って説得した。

親友とランチするの迄だめだというのは
ひどすぎると涙目になると、碧斗は渋々
納得してくれた。