孤高の総帥は初めての恋に溺れる

優依はお祖母さんと二人暮らしなので
皆で押し掛けるわけにはいかないけれど
穂香は1~2度遊びに行ったことがある。

優依は自分の部屋をきちんと整えて、
カーテンやクッション、アクセントラグも
色を考えて置いていた。

優依らしいエレガントで少しモダンな
部屋にしていた。観葉植物や花も
飾っていたし、その部屋全体が優依を
表現していて居心地がいい空間だった。

優依もインテリアにセンスがあると思う。

そういう意味では穂香と旅行社に勤める菊枝
はあまり部屋を飾ったりおしゃれに整える
という気持ちがない。

菊枝はしょっちゅう添乗に国内や海外に
出かけているので、そんな事してる暇なんて
ないのだろうと思っている。

穂香はとにかく部屋がきれいに片付いていれば
それが一番気持ちよく過ごせるのだ。

なので、自分の部屋にそこまで愛着が
なかったので碧斗に言われて碧斗の
マンションに強引に連れていかれても、
反発は感じなかった。

それより気になるシューズクロークやまだ
開けたこともないドアが開けられるのだから
碧斗のマンションで暮らすことに何も不満は
ない。

だがしかし碧斗と出会ったのはほんの
1週間程前なのだ。

この展開は早すぎる。まるで急流に流される
小舟に乗っているようだ。

それからは仕事の行き帰りは、ラッセル社の
社用車で送り迎えされることになった。

碧斗はなるべく早くロンドンの祖父の所に
穂香を連れて祖父に会わせて穂香を認めて
もらいたいと思っているようだが、休みを
取ったばかりの穂香はなかなか長い休みが
取れそうになかった。