孤高の総帥は初めての恋に溺れる

アーノルドはまさかウインダム家の令嬢が
そんな事だとは思いもかけなかったと、
自分の落ち度を悔やんでいるらしい。

ジョナサンを叱り飛ばしたのに、浅慮は自分
の方だったとジョナサンにも詫びを
入れたそうだ。

ラッセル卿にもすぐに報告をしていて、卿は
碧斗に申し訳ないと彼もまた落ち込んでいる
ようだ。

そんな令嬢の背景を知らされて碧斗は
穂香をどこにも出さず家に閉じ込めて
おきたい想いを何とか抑えて、マンションに
すぐに引っ越してくることと車で送り迎えを
する事を了承させたのだ。

明日は穂香の仕事が休みなので午前中に穂香
のマンションまで言って必要な物や大事な
物を取ってくるように車を手配させた。

碧斗が穂香を乗せて一緒に行ってくれると
いう。

忙しい碧斗に仕事はいいのかと心配する穂香
に、ジョナサンは明日会社に行ってロンドン
で予定していた会議を碧斗に代わり自分が
WEB会議をするので大丈夫だと言ってくれた。

そしてジョナサンは帰っていった。

彼もこのマンションに住んでいるそうだ。

穂香は碧斗がジョナサンを許してくれて、
安心した。

自分のせいで碧斗が有能な秘書と幼馴染の
親友を失くさなくて本当によかったと心から
安堵した。

次の日からは、もう穂香のマンションは解約
されてしまってしまったようだ。

穂香のマンションは、空港に近いと言うのが
気に入って選んだので、外観がどうとか
セキュリテイーもそこまで気にかけなかった。

一応マンションに入るのには別にロックを解除
しなければいけないのだが、碧斗にすれば
呆れるほど無防備だと言う事だ。

部屋も穂香はそれほどインテリアに凝っては
いない。

シンプルですっきり暮らせればそれでいいと
思っている穂香は、可愛くて儚い雰囲気の
外見と違って男前女子なのだ。

親友たちの中ではマリが一番インテリアの
センスがいい。

浮気者でくずな旦那と別れてから一人暮らし
を始めたマリは、マンションを自分好みに
リフォームしてとてもおしゃれな部屋に
住んでいたので、たいてい集まるのは
マリの部屋になったのだった。