孤高の総帥は初めての恋に溺れる

これはジョナサンの父親でラッセル卿の秘書
をしている父親のアーノルドからの情報
なので確かだと言っていた。

アーノルドもこの事を知らせるために何度も
碧斗に電話をしたらしいが、ヤード親子の
電話には出ないらしい。

碧斗は頑固なのでジョナサンは許されるとは
思っていないが、穂香の事が心配だったので
東京まで来てくれたようだ。

この後明日にでも碧斗に面会を求めるが、
多分会ってはくれないと思うが会って
もらえるまで何度でも行くと言っていた。

碧斗の秘書は自分でないと務まらない。
他の者では碧斗の疲れ具合を見て仕事の
緩急を入れてやることができないからだ。

ジョナサンは碧斗でなければ決済できない事
以外はなるべく自分が対応していたと言った

穂香は今日碧斗が退勤後に迎えに来てくれる
ので、一緒に来てくれれば碧斗にとりなすと
言ってジョナサンに時間と場所を教えた。

その夜、退勤後にA出口でジョナサンと
二人で碧斗を待っていると、どこから
ともなく碧斗が現れて、ジョナサンに
食って掛かった。

「ジョナサン、お前何のつもりだ。まだ懲り
ずに俺と穂香の仲を裂こうとしているのか」

と言って穂香を腕の中に閉じ込めた。

碧斗の腕の中で穂香は、碧斗の頬を両手で
挟んで自分の方を向かせて、

「碧斗さん、違うわ。彼は私に謝りに来て
くれたのよ。丁度夕食の休憩の時に声を
かけてくれたから、二人で夕食を食べたの。
色々話してくれたのよ。碧斗さんとは子供の
頃からの友達で親友で大切な秘書なんで
しょう。私の事でそんな大切な人を切り捨て
ないで、彼も十分反省しているし、イギリス
人の令嬢の事も気を付けるように知らせて
くれたのよ。だから、碧斗さんも話を
聞いて、ジョナサンを許してあげて、
ねっ」