孤高の総帥は初めての恋に溺れる

ジョナサンは碧斗との今までの経緯や、
ラッセル家とヤード家の関係、それに碧斗が
飛び級をしまくって20歳の時にはIT企業
を立ち上げてそれも今はラッセルグループの
傘下に入れて碧斗が運営しているのだと言う
ようなことまで教えてくれた。

ジョナサンはその頃からずっと碧斗の秘書
として碧斗と一緒に世界中を飛び回って
いたと言う事だ。

そして碧斗が26歳の時にご両親が亡くなり
その2年後28歳の時にラッセルグループの
総帥の座を祖父のラッセル卿から引き継いで
両親の死を悲しむ暇もなくグループの総帥と
して休みもなく働くこととなったのだ。

アイランドリゾートもラッセル社の新しい
飛行機のR797Xも碧斗が主導して開発させて
完成させたらしい。

そして先日の3日間の休暇はこの4年間
休みらしい休みがなかった碧斗の唯一の休暇
だったらしい。

穂香といる時の碧斗は、今までに見たことが
ないくらい優しい顔をしていたし、心の底
から笑っていた。

そし穂香を見る目にははっきりと深い愛情
が見えていたのに、自分は碧斗と穂香を
離す為に嘘ばかり書いた手紙を穂香に送った
のだと懺悔した。

碧斗は、ラッセル卿の用意した晩餐会には
参加せず、ことの次第が分かった後すぐに
東京に帰ってきたと言う事だった。

その令嬢はミレーヌ・ウインダム嬢で
ラッセル卿は家柄で選んだようだが、あまり
いい評判は聞かないと言って穂香に気を
付けるように言って写真も渡してくれた。

彼女は晩餐会を碧斗がすっぽかしたことに
かなり腹を立てていて、何が何でも碧斗と
婚約するのだと息巻いているらしい。