孤高の総帥は初めての恋に溺れる

俺は自分の主人を裏切ってラッセル卿の希望
を優先させたのだ。

それも碧斗や穂香を傷つけて嘘までついて、
もう碧斗は二度と信用してくれないだろう。
そんな甘い男ではない。

父に報告すると、”お前には失望した”と
一言だけ言われた。

そして、“出て行け“と冷たく突き放された。

言うまでもなく秘書として執事として一番
やってはいけない事、主人を裏切る事をして
しまった事が父親のアーノルドには
許しがたい事だったのだ。

そんなに馬鹿者だとは思わなかったと、
冷たい目をして言われたときは肝が冷えたし
体温がスーッと下がっていくのを感じたほどだ

父親にとってはいや、ヤード家にとっては
ラッセル家が至上の主人なのだから…

ジョナサンは自分のフラットに帰って、
これからどうすればいいか考えていた。

碧斗とは生まれた時からの付き合いだ、
それこそ小学生になった時からいつも父親
から碧斗の秘書になれるように精進しろと
言われていた。

碧斗は次々に飛び級して15歳の時には
ハーバード大学に入学した。

そこまではジョナサンも何とかついて行けた
が、大学でも3年間で卒業して今度は日本の
最高峰の大学院に入学した

ジョナサンは大学を3年で終わらせることが
できなくて、父親に碧斗を日本の大学で一人
にするのかと叱られた。

しかし碧斗と同じに行くわけがない。