孤高の総帥は初めての恋に溺れる

ジョナサンはずっと碧斗についてくれていた
秘書でなんでも分かり合える親友だと思って
いた。

それがこんな手ひどい裏切りをされるとは
思ってもいなかった。

碧斗が一番大切な穂香を初めて愛した人を
裏から手をまわして、碧斗から切り離そうと
するなんて絶対に許せない。

爺さんも何も言わずに騙すように、令嬢との
出会いを計画していたなんて許せない。

今日の晩餐会は中止だ。

ロンドンでの仕事はそう重要なものでは
なかったのだ、爺さんに会いに来るのが
主な目的だったから、本当ならあと一日
穂香といられたのに、どうしても今日の
夜にロンドンにいるように言われて
やってきたのだ。

結局そういう事だったんだ。

碧斗はすぐにプライベートジェットの機長に
連絡して最短で何時に飛ばせるか確認した。

パイロットはほんの5時間くらい前に
ロンドンに着いたばかりだ。

インターバルが必要だ。

東京まで急いで帰りたいと言ったら、今日の
15時には出発できると言ったので、碧斗は
ロンドンで済ませる会議を9時からにして
それを終わらせたら東京に発つように
スケジュールを変更した。

本来ならジョナサンの役目であるので、総帥
自ら根回しの連絡が来て皆驚いていたが、
快くリスケに応じてくれた。

碧斗は朝早くにも拘らずこの家に居たくない
と思い直ぐに会社に出掛けて行った。

誰にも言わず爺さんには東京に帰る事、
理由はジョナサンに聞いてくれと書いて、
使用人に渡して家を出た

そして15時には空港から東京に向かう
飛行機の中にいた。