孤高の総帥は初めての恋に溺れる

でも穂香は次に書きたい小説がシンガポール
ギャングと闘う現地の企業のCEOの話なの
でそのCEOに碧斗がぴったりだと思っている。

少したれ目の切れ長の青い瞳に高い頬骨
形のいい薄い唇が笑うと口角が上がって右端
に小さなえくぼができる。とてもセクシーで
チャーミングなのだ。

きっとハーフかクオーターではないかと
思っている。

すべての女性をその微笑で一瞬で虜にする。

そんな事を想いながら穂香も笑いにつられて
いく。

車の中は運転手も含めて笑いの渦に巻き込
まれて、フライヤーに着くまで、3人で
大笑いしていた。

「ああ、おなかが痛いよ。こんなに笑った
のは人生で始めてかも」

「そうなんですか?私なんか親友たちと一緒
にいるとお腹がよじれるほど笑っちゃう時が
何度もありますよ。碧斗さん仕事ばっかり
してないでもっと人生楽しまなくっちゃ」

「そうだな、じゃあこれからも穂香が僕を
笑わせてくれる?」

そういって、碧斗はゆっくりと穂香に
近づいてその頬にキスをした。

「もう、碧斗さんて油断も隙もないですね。
運転手さんがいるのに…」

小さな声でそう言って碧斗を睨む穂香も
可愛い。

「穂香は怒っても可愛いからな、どんどん
怒らせたくなるよ」

碧斗は今度は耳を齧ってきた。

「きゃあ、碧斗さんほんとに止めて下さい」

真っ赤になって抗議する穂香が初心すぎる。