孤高の総帥は初めての恋に溺れる

穂香はこれ以上はもう無理と思って、換金
してもらった。

「碧斗さんありがとうございました。
こんなにお金が増えてしまいました。明日
の夕食は私に奢らせてください。まだここ
に滞在されるならですが…」

少しはにかみながら言う穂香に

「じゃあ明日、一日僕に付き合ってくれる?
連れもいなくて退屈していたんだ。
明日、朝早いけどサンライズを見てから
朝食を食べてプールでひと泳ぎしたら
プールサイドで昼食を食べて、夕方ナイト
サファリに行くと言うプランはどう?
明日の穂香の一日を僕にくれませんか」

穂香は碧斗の提案に息をのんだ。

こんなに素敵な人が自分を誘ってくれる
なんて夢のようだ。

穂香は旅の1日の思い出にしようと決めた。

「はい、私でよかったらナイトサファリは
明日行くつもりだったんです」

「よかった。ナイトサファリの前に街で夕食
を取ろう。素敵なレストランに案内するよ。
イタリアンかフレンチか中華どれがいい?」

「う~ん、難しいですね。碧斗さんにお任
せします。どれも好きなので選べません」

そういうと穂香は嬉しそうに笑った。

「わかった。じゃあ僕に任せて、でもナイト
サファリに行くんだから服装はカジュアル
でいいからね」

「はい、わかりました。明日一日とても楽し
みです。この旅のいい思い出になります」

「思い出にはしないよ」

と小さく呟いた碧斗の言葉は穂香には
届かなかった。

「ではおやすみなさい。今日は楽しかっ
た。ありがとうございました」

「僕も楽しかった。お休み」