孤高の総帥は初めての恋に溺れる

ここのサンセットやサンライズを写した
写真集がホテルのショップで売っていた。

穂香はサンライズを買っていくつもりだ。

穂香が高校生の時、将来の進路に悩む
穂香に母方の祖母が、

《穂香は今昇る朝日なのよ。望んでできな
い事は何もないわ。但しそれに伴う努力は
必要だけどね。希望や夢は高く持つもの
だと思うわ。高い所に昇ろうと努力する
からてっぺんまで行けなくても努力した分
だけ昇っていけるはずだからね。
そしておばあちゃん達はね、沈む夕日だと
思っているの。自分の人生が誰かの光に
なれたなら嬉しいわ。
そして素晴らしい人生だったと思って
沈んでいきたいわね。誰かの記憶に少し
でも美しく残れるようなそんな夕日に
なりたいわ》

そういった祖母は2年前に綺麗な幕引きを
してすべての事を整理して逝った。

祖父は10年前に亡くなっているので8年間
好きなことをして気楽に暮らし、友人達と
旅行も楽しんでいた。

やりたいことをやって見事に美しい夕日と
なって沈んでいったのだ。

沈む夕日を見ていたら、そんな祖母の事
を思い出した。祖母は穂香を導く光だっ
たと今ではそう思う。

祖母は若い頃もう50年以上前になるだろ
うが、穂香と同じJOAのグランドスタ
ッフをしていた。