孤高の総帥は初めての恋に溺れる

そして今シンガポールの市街地にある
イザベラホテルに向かって通りを歩いて
いる所だ。

少しぶらぶらしたいと碧斗が言ったので
歩いて行く事になったのだ。

徒歩でもラッセル社からイザベラホテル
までは15分ほどだ。

気温も夕方になって下がってきて少し
過ごし易くなっている。

ジョナサンはボデイガードに歩いて向かう
旨伝えると碧斗の横に並んで歩き始めた。

シンガポールはきれいな街だ。

ごみを捨てると罰金を科せられるし、
タバコも指定場所以外で吸うと罰金だ。

その他色んなちょっとした罰金がある国だ。

そうしてこの美しい街並みを守っているの
だ。

歩いていても気持ちがいい街だ。

碧斗は前方に二人の男が女性を路地に
引っ張り込んでいくのを見つけた。

突然走り始めた碧斗にジョナサンは
びっくりして後を追う

「テオどうしたんだ」

ジョナサンはプライベートな時は呼び
捨てだ。

イギリスで飛び級で高校まで出た碧斗
とは高校まで同級生だった。

言うまでもなくジョナサンも碧斗を追う
ように飛び級してきた。

ジョナサンの実家のヤード家は何代も前
からラッセル家につかえる執事を輩出
している。

実際今もジョナサンの父親はアーサー・
ラッセル卿の秘書兼執事をやっている。

そしてジョナサンは碧斗の秘書兼執事
なのだ。それこそ24時間勤務だ。