孤高の総帥は初めての恋に溺れる

最初のイザベラホテルはロンドンにある。
イザベラホテルのコンセプトは、上品で
ゆったりとした室内で優雅に、滞在して
もらうと言う事なので、大型ホテルでは
ない全室スイートで富裕層向けの中型の
ホテルだ。

建物もロンドンならお城をイメージする
外観になっている。

パリのイザベラホテルは、アパルトマンを
買い取って内装や外装を変えた。

内部はちょっとモダンなおしゃれな
雰囲気だ。

設備もすべて現代的に変えている。
ここはキッチンもついていて、高級な
コンドミニアムの感じになる。

今は東京とロサンゼルスにイザベラ
ホテルを計画している所だ。

ホテル部門は不動産開発会社が運営し
ていて、本社は東京にあり社長には父親
の弟つまり叔父の武庫川雄介がついて
いる。

父によく似た面持ちの叔父が碧斗を気に
かけて可愛がってくれるが、ビジネス上
ではグループ内の一つの会社の社長と
グループの総帥なので立場は全く違うが
碧斗は武庫川家の家族が大好きだ。

でも、いつもどこか一線を引いたように
しか接することができない自分がいる。

碧斗は父の国日本が好きだ。

母の国イギリスは碧斗にとって窮屈で
紳士的な振舞いを期待されて時々嫌に
なってしまう。

前総帥のアーサー・ラッセルは大好きな
祖父なのだが、武庫川の祖父母は碧斗に
何の期待もせずにただ無条件に受け入れ
て愛情を注いでくれる。

それが碧斗にとっては、とてもありがたく
居心地がいいのだ。