孤高の総帥は初めての恋に溺れる

「そうだ、僕の隣にいて欲しいのは僕が
ずっと傍に居たいのは穂香だけだ。それに
グループの総帥の妻としても穂香は相応しい
優しくて周りの皆を思いやれる穂香こそ
総帥の妻にとって一番大切な事だ。グループ
を引っ張っていくのは僕にできる。穂香は
ジョナサンや僕の側近達にも信頼がある。
それこそが一番大切だ。総帥の妻が自分勝手
な我儘女だったら誰もついてこないよ。総帥
としての僕の立場も危うくなるよ」

「うふふ、ありがとう。そう言ってもらえて
うれしい。碧斗さんについて歩くしかでき
ないけれど皆に笑顔になってもらえるように
頑張るね。碧斗さん仕事の時の顏クール
すぎるもの、私が緩和剤になれればいいと
思うの、ジョナサンもそう言ってくれたの」

「うん、よろしく頼むよ、僕の奥さん」

そう言うと碧斗は穂香をふんわりと抱き
上げると寝室に連れて行った。

それから半月後穂香はグランドスタッフ
としての勤務のラストを迎えた。

後輩が花束を用意していてくれたのには
嬉しくて涙が出た。

JOAの後輩や同期がその後のお別れ会に
お休みの中、沢山来てくれたのも嬉しかった

穂香がラッセルグループの総帥との結婚が
決まっているのも周知されているので、
上司や取締役や社長まで参加の希望が
あったらしいのだが、幹事の同期に
丁寧にお断りしてもらった。

社長や幹部の取締役は結婚式に来てもら事に
なっているので、直属の上司だけ参加を
お願いした。

穂香は思い残すことなく6年間楽しく働いた
JOAを退職し碧斗との結婚に向けて
晴れ晴れとした気持ちで準備に取り掛かれる
ことを心から幸せに思った。