孤高の総帥は初めての恋に溺れる

ラッセル家の歴史や財力は穂香が今まで
生きてきた経験値の範疇には全く収まらない
からだ。

ただ、碧斗を見つめて碧斗の為に彼の側で
彼を支えることに注力する事にした。

何をどうしても抗う事なんてできない。

碧斗の穂香への溺愛と独占欲は碧斗自身も
驚く程なのだ。

碧斗は今まで仕事以外には興味もなく、特に
女性に関しては総帥になって以来、その妻の
座を狙う厚顔無恥な女性達の猛攻に辟易して
いたのだ。

そこに穂香という爽やかで清涼な心地良い
一陣の風が吹き抜けたのだ。

碧斗はひとたまりもなく穂香に翻弄されて
魅せられ恋に堕ちたのだ。

碧斗は穂香との婚約中に自分の働き方も改革
して穂香と過ごす時間をとれるようにする
つもりだと言っている。

ロンドンに戻ってからの2日間は穂香は
お爺様となるべく一緒に過ごした。

お爺様に日本の家庭料理を作って食べて
貰った。

油の少ないあっさりとした和食はお爺様の
健康にも良いとアーノルドが料理人に
穂香から作り方を教えて貰うようにと指示
していた。

何よりお爺様が穂香の作る和食を気に入って
くれたのだ。

碧斗が仕事に行っている間、ランチも
デイナーも穂香が作っていたと知って碧斗は
へそを曲げてしまった。

穂香の手作りのランチを食べ損ねたからなの
だがまるで子供みたいだと、お爺様と
アーノルドに笑われていた。