【書籍化】貧乏家族の転生幼女は待望の水魔法の使い手でした~愛する家族とともに枯れた領地を潤します!〜



 今は基礎魔法のウォーターしか使えないけど、メインスキルのウォーターウォールやサブスキルのコールドウォーターもSPがあれば、習得自体はできるみたいだ。
 でも正直どちらもすぐに必要なスキルじゃない気がする。


 翌朝、コンコンという扉をノックする音で目が覚めた。
 目を擦りながら返事をする。

 前世ではそんなこと無かったけど、レオナに転生してから朝起きるのが辛い。
 まだ三歳児だし、成長期だからかな? 
 それとも、日課だった入浴ができていないからかもしれない。


「レオナ様おはようございます」

 この声は執事のロイドだ。

「アレス様がお部屋でお待ちですよ」
「はああい」

 早速昨日言っていた魔法の練習をしてくれるのかもしれない。
 期待しつつ、急いで準備をして父アレスの部屋に向かった。

「おはようございます、お父様」
「おはようレオナ、昨日はご苦労だったな。疲れは充分とれたかい?」

 お父様の言葉に、私は大きく頷く。
 元気いっぱいなところをアピールして、早く魔法の練習に取り掛かりたい。

「そうか、良かった。……それでレオナに大事な話があるんだ。実はな、レオナも気づいているかもしれないが、我が領地は慢性的な水不足だ。日差しは強く雨も降らない、けれども水属性魔法に適性がある者が少ない」


 普通の三歳児なら気づいていなかったかもしれないが、前世の記憶があるレオナはさすがに薄々勘づいていた。
 グライスナー領の深刻な水問題に。

「そこでだ、まだ三歳のレオナには酷かもしれないが、早速魔法の練習を始めてもらいたいんだが、どうだろうか?」
 
 それは、早く魔法を使ってみたいと思っていたレオナにとっては、最高の提案だった。

「はい、嬉しいです!」