今日の朝食は、シャロンお母様と。
お母様はもう何年も体調を崩していて、一日の大半をベッドの上で過ごしているみたいだ。
大半というのは、我が家では唯一お母様だけが農業スキルを扱えるため、無理を押して庭の種植えをやってくれているのだ。
それ以外は、ベッドの上で経理のお仕事や書類の整理等をしてくれている。
体調不良の理由は聞いていないけれど、周囲の様子から察するに、恐らく何かしらの病を患っているのだろう。
朝食後、お母様と一緒に庭に下りる。
お母様は種植えのため、私は水がめの補充のためだ。
お母様が畑に手を付き、小声で念じると、ズズズッと苗が出た。
「お母様、今は何を植えたのですか?」
「レオナの好きなサツマイモよ」
「サツマイモ!」
苗の範囲は私と同じくらい。
きっとお母様も、スキルレベルを上げてはいないのだろう。
身体が弱いお母様は、魔法はなるべく使わないようにしているそうで、日課を終えて、ふらふらとお部屋に戻っていく。
心配になって私もついていくと、部屋に着くやいなや、ベッドに寝転がってしまった。
「大丈夫ですか!?」
どうやら魔法を使うと、普段より消耗してしまうらしい。
「ええ。ちょっと疲れただけだから大丈夫よ。それよりもっと近くにきて。久しぶりにお話ししましょう」
「え、でも……」
「心配しないで、お話くらい大丈夫よ。それより最近のレオナはとてもご機嫌ね。魔法の練習は楽しい?」
お母様は穏やかに微笑んだ。
普段、体調が悪いお母様の迷惑にならないよう、気を遣っていたレオナだったが、本当はもっとシャロンお母様とお話したかった。
普通の子どものように、遊んだり、甘えたりしたかった。
レオナは、椅子に深く座り直して、他愛のない話をした。
気が付けば、空が茜色に染まっていた。
そろそろ薬草畑の世話をしなくてはと、まだ日課の途中だったことを思い出した。
ただ最後に、どうしてもお母様に聞きたいことがある。
「お母様は、魔法の《ステータス》なるものを知っていますか?」
「ステータス? ん~ごめん、聞いたことないわね」
お母様は困ったように眉を下げた。博識なお母様が知らないのであれば、少なくとも一般的な情報ではないのだろう。
レオナはガックリと肩を落とした。
