宵にかくして




🌙



食後の片付けを終えて、一息つくために紅茶を淹れることにした。
 

ポコポコと音を立てながらお湯が沸くと、ふわりと立ち上るベルガモットの香り。実家からこっそり持ってきたお気に入りの茶葉は、環境の変化の緊張をほぐしてくれる、……ゆったりと心を落ち着かせてくれる、大切な魔法のアイテムのようなもの。

 

「よければ、どうぞ」

 

ソファでくつろいでいた宵宮さんにティーカップを差し出すと、ふわりと立ち上がる湯気と共に漂う香りに、心地よさそうに目を細めた宵宮さん。



「……いい香り」
 
「実家から持ってきた、お気に入りの茶葉なんです。……美味しい紅茶を飲むと、なんだかほっとするので」



そう言ってはにかめば、宵宮さんもつられるようにふっと口元を緩める。