自分の作った料理を宵宮さんが食べてくれること、それを美味しいと伝えてくれたこと、その全部がうれしくて、……ほっと安堵のため息がこぼれると共に、じわりと目頭が熱くなる。
「ありがと、咲菜」
─────……その一言だけで、充分すぎるくらいに幸せな気持ちになってしまうの。
宵宮さんに感謝の気持ちを伝えたい、お礼がしたいから……って私からお願いしたのに、どこまでも敵わない人だなあと思う。
時折、「うまい」と呟いてスプーンを進める宵宮さんを見ているだけで、お腹がいっぱいになってしまいそう。
「(……もっと、このひとのことを知りたいな)」
胸の奥にそっと芽生えた小さなお願いに気づかないふりをして、私も一口、オムライスを口に運んだのだった。



