宵にかくして





「お待たせしました……!デミグラスオムライスです」



湯気の立つお皿をテーブルに二つ並べると、宵宮さんふわりと身を乗り出した。つやつやと輝きを放つ卵に、綺麗な瞳を少しだけ見開いて、うまそう、と呟く。
 


「ふふ、ありがとうございます。けっこう自信作ですっ」

「……いただきます」



ふたりで手を合わせると、宵宮さんはスプーンで卵をふわりとすくい、優雅な仕草で口元へと運ぶ。


どきどきとしながらその様子を見守っていれば、ん、と微かに表情を変えた宵宮さんが二口目を口元に運ぶから、ほっとして肩の力が抜ける。




「……すげー美味しい」
 
「っ、よかった……!ありがとうございます」

「ん、……なんか、優しい味がする」


……やさしい味、か。