宵にかくして




「俺の分も作ってくれるの?」
 
「っ、はい。何か食べたいものとかありますか……?」

「サナの食べたいもの」

「、なにか苦手な食材とか……」

「ない。楽しみ」



ほどかれた目尻と綺麗に持ちあげられた口角に、心臓があまやかに震える。さらりと揺れる黒髪から覗く表情がやさしくて、つられるように頬がゆるんでしまう。


「(ふふ、うれしい。宵宮さんへの感謝の気持ちを精一杯伝えられるように、とびきり美味しいご飯を作らないと……!)」


そう心の中で意気込んで、任せてください、と宵宮さんを見上げながらはにかんで笑ってみせた。