「ほら、置いてくよ」
「は、はいっ」
……うう、でもやっぱり、この地味な男子生徒の変装で宵宮さんの隣を歩くなんて、なんだかすごくシュールだ。
観念してドアノブに手をかけた時、ふと、宵宮さんが足を止める。
「……外ではなんて呼べばいい?」
「、?」
「"蒼唯"だと、話題の転校生だと勘付かれる可能性がある。苗字で勘付かれたら面倒だろ」
「た、たしかに……!下の名前で呼んでもらうのも、私だとバレてしまいますし……」
というか、わ、話題……?私が?
編入初日に向けられた好奇の視線を思い出して、頭を抱えてしまいそうになる。
……どうしよう。なにか、男の子っぽくて、でも不自然じゃない呼び名……?
うーん、と頭をひねりながら記憶の糸を手繰り寄せていると、ふと思い出す。



