「そのための変装なんだろ?」
意地悪く微笑んで、ゆるりと指先に髪を絡めとる。あまりにも様になる仕草に見惚れてしまったのは一瞬で、宵宮さんとの距離感を自覚した瞬間、じわあっと頰に熱がこもった。
……ぜ、絶対にからかわれてる……!
昨日も今も、宵宮さんのちぐはぐな距離感に振り回されてばかりで、少しふれられるだけで狼狽えてしまう自分が少し恥ずかしい。
自分の言動がどこまで相手に影響を及ぼすのか、ぜんぶ理解した上で振る舞っているなら、……狡いひとだなあ、と思う。
……でも、宵宮さんからしたら子猫と戯れ合うような感覚なんだろうな。子猫というより、突然上がり込んできた野良猫を気にかける感覚に近いかもしれない。



