宵にかくして




今日まとめて買ってしまえば明日からのご飯にも困らないだろうし、よし、行こう……!
 

  
「あの、宵宮さん、私スーパーに行ってきます……!」


ふわりとウィッグを被せながら立ち上がれば、ぎゅ、と裾のあたりを引かれ、宵宮さんを見下ろすような形になる。私の脈絡のないセリフに宵宮さんはほんのり眉をひそめるので、事情の説明のためにあわてて口を開いた。



「冷蔵庫が、まだ電源入れただけで何も入ってなくて。……これからの分の食材とか、買いたいなって」

 

ひとり暮らし用とは思えないほどの立派な冷蔵庫とキッチン(+キッチン用品)が完備されているので、せっかくなら上手に活用したいなあと思っていたのだ。


先日、宵宮さんのお部屋に入った時に見たキッチンは物がほぼなくてとてもシンプルな作りだったから、……私が自炊するのを好きだと知っていた宗英さんが、また気を遣って揃えてくれたんだろうなあ……。