どうしよう、この状況の説明は難しい……し、今見つかるのも都合が悪い。
あわててカバンを抱えて玄関の廊下の陰に身をひそめていると、……不意に後ろからぎゅ、と手首を掴まれて、ふらりと重心が後ろに傾いて。
「―――――よ、宵宮、さ……ん」
振り返った先、息を呑むほどの綺麗な瞳に至近距離で見つめられて、……なんで、ここに宵宮さんがいるんだろう?
戸惑う私とは対に、真っ直ぐに振りかかる眼差しに思わず息を呑めば、ぎゅっと手首をさらに強く握られる。
"何してる"────そう、静かに問いかけてくる瞳がこちらを探るように微かに細められて、きゅ、と胸の奥が締め付けられた。
「え……っと、これは、その、」
しどろもどろで答えようとするものの、言葉がうまく出てこない。でも、この格好を見られてしまった以上、もう変な誤魔化しは通用しないのも分かっていて。
周囲をきょろきょろと見回して、誰もいないことを確認すると、────……ぎゅ、と宵宮さんの手のひらを握り返した。
「、お話、聞いてくれますか?」
ぎこちなくも首を傾げてみせれば、尖っていた目尻がゆるりと細められて、宵宮さんの口元に微笑が浮かぶ。ほんのりとやさしく持ち上げられた口角に、とくりと心地のいい熱が広がって、頰があつくなる。
そして、やわらかい指先がそっと爪先を撫でて。
「……聞かせて」



