宵にかくして





……もう、こうなったら回避策はひとつしかない。
――――――なんとか、"女"だってバレずに突破しないと……!
 

そうと決まれば、人混みをやり過ごして別の門から……と回り道をしてみたけど、裏門の周りも女子生徒で溢れていた。


こんなに出待ちの女の子たちがいるなんて、まるで芸能人みたいだな……と、改めて思い知らされる宵宮さんたちの人気がすこし恐ろしい。


ここで立ち止まっていても変に目立ってしまうだろうし、どうしよう……と視線を迷わせていると、ふと、寮の壁沿いに小さな倉庫があることに気づく。



人目を気にしながらも、おそるおそる近づいてみると、 だいぶ古そうな造りのドアには木彫りのプレートで"準備室"という文字。



「(あ、鍵あいてる……)」


ちょっと不用心だな……なんて考えながらもそっとドアを開ければ、暗がりに溶ける影と何かが棚に無造作に置かれているのが目に入る。