宵にかくして



🌙


そして、放課後。
午後の授業をなんとか切り抜け、紬ちゃんと夏莉ちゃんに別れを告げて、私はひとりウォーデン寮へと向かっていた。


そして、遠目に寮の門が見えた瞬間、……ぴたり、と思わず足を止めてしまう。目を凝らしてよく見てみても、その光景は変わらない。


な、なにあれ……?
ウォーデン寮の前に、たくさん集まっている女の子たち。全員が誰かを待ちわびるみたいにそわそわしている様子でスマホをかかげて、その瞳は期待の感情できらきらと輝いている。
 

その中心にあるのは、間違いなくウォーデン寮の門……で。



「(ど、どうしよう〜……っ)」


心臓がどくりと嫌な音を立てる。


まだ兄たちにも、……宵宮さんにしか私が入寮したことを言えていないのに。もし、女子禁制であるはずの寮に入っていくところを見られてしまったら、……"女子が入寮した"なんて変な噂が立って、彼らに迷惑をかけてしまうかもしれない。