宵にかくして





……貴族みたいなひとだなあと思っていたけど、あの独特な距離感と見透かすような瞳は、なかなかクセが強そうというか、全体的に"読めない"ひとだった。



「校則、予算、行事もろもろの学園全体のルール作りを担ってるのも生徒会だし、……表の権力はあの人たちのもの、って感じ。桜蕾とはまた違う崇められ方っていうか、まあ支持されてるっていう点では変わらないけど」


「そのトップの秋月カイチョーも、容姿端麗・頭脳明晰・品行方正の3拍子に加えてあの完璧な容姿……!立ち振る舞いも上品だし、王子さま〜って感じだよねえ」
  


紬ちゃんのセリフに、どきりと心臓が跳ねる。
あの日、……月明かりに照らされる黒髪、フードから覗いた端正な横顔、淡く光るピアスがすごく綺麗で───────……"王子さま"みたい、なんて。



無意識に"彼"のほうに視線を向けて、揺れる黒髪をじっと見つめてしまう。