宵にかくして


 
明日は焼き魚定食たべよう……!


お盆を受け取れば、ふわあっと香るハンバーグの美味しそうな香り。それらに口元を緩ませながら、ふたりと席を探していた時だった。


ふと一点を見つめたふたりが、ああ、となぜか納得したような表情を見せるので、どうしたんだろう……と首を傾げながら、そちらへと視線を寄せてみる──── ……と。

 

「(っ、あ……)」 


見覚えのある横顔に、どきっと心臓が跳ねる。


彼の存在感は一際目立っていて、……思わず惹きつけられてしまいそうな、不思議な引力みたいなものを感じてしまうのは、きっと私だけじゃない。



「、宵宮さん……」

 
声にならない声で、そっと名前を呟く。



寄せられる視線の多さには気づいていないのか、あるいは意に介していないのか─────……でも、この場は彼中心に回っているようさえ思えるのだから、やっぱり宵宮さんはすごいひとなのだと、実感する。