会長さんよりもあどけなくて幼さの残る顔立ちだけど、やっぱりすごく整っていて綺麗だ。
「あんた、兄貴のなに?」
まずは挨拶から……!なんて意気込みは、なぜか睨みをきかせてくる秋月くんに3秒ほどで打ち砕かれた。
"兄貴"……ってことは、やっぱり会長さんの弟さんなんだ。
「、教室まで案内していただいただけです……」
「ほんとにそれだけ?」
「は、はい、それだけです……!」
こくこくと頷く私に、たれ目がちな目尻を尖らせる秋月くんは、へえ、と気の乗らないご様子で。
……初対面なのに、もう怒らせてしまっている……?!
理由はわからないけど、秋月くんが私に対してマイナスな感情を抱いているのは確かだ。おそらく、というか、100%会長さん絡みで。
「……兄貴が生徒の案内なんてしてるの初めて見た」
「えっ、そうなんですか……?てっきり会長さんだからお迎えに来てくれたのだと、」
「ふうん、"会長"の兄貴がわざわざあんたを迎えに、ね。……やっぱ、あんた何かあるでしょ」
核心をついたようなセリフに、バクンと心臓が鈍い音を立てた。



