「ねね、会話しりとりって知ってる??」



会話しりとりとは、その名の通り、しりとりで会話をする、というゲームである。

“ん”がついたら負け。

しっかりと文字をつなげて話さなくちゃ負け。

ちょっとした反応が命取りになるという、ハラハラドキドキのゲームなのだ。




そして、夕日が差し込む教室で、私と隼人はプリントをホッチキスで留めている。

それも200枚くらい。

黙々と留めていると隼人が口を開いた。

「知ってるがな。ほら、“スクバ”で流行ってるじゃん。」

“スクバ”とは、スクールバックっていう動画サイトのこと。中高生に人気のサイトである。

「へぇー。隼人って意外と知ってるんだねぇ。流行りのもの。」

「なめんなよ、おれのすごさをっ!」

「…はいはい。………、っ」


ん?指になんか刺さった?
…ズキズキする。
痛い。見てみると、ホッチキスの針が指に刺さっちゃったみたいだ。くそぉっ、何日ケガしないか試してたのに!!

「ん?どした?」

「あぁーいや、なんでもない。」