こちらは大迷惑だ。
苦々しい思いで、返事に困っていると、ケンジが急に私の口元に触れ、
「生クリームついてる」
そう言って、なんだかいやらしい仕草で指を舐める。
突然、何をするのかと唖然としたが、
「あー⋯⋯なんか、邪魔してすいません」
元ファンだという男は、気まずそうに去っていった。
あれ⋯⋯?
「ねえ、ケンジ。もしかして、助けてくれたの?」
「ん?何のこと?」
どう考えても助け舟だったと思うが、ケンジはすっとぼけている。
昔から、ケンジは私が困っている時には、さりげなく助けてくれたっけ。
結局、私たちは独身男女の出会いの輪から外れたまま、意地汚く食べてばかりいた。
やっとお開きという時に、同じく独身の女友達は、
「なんかさぁ、あんまりいい男いなかったね」
「だよねー。婚活のアプリとかパーティで知り合う男と大差ない感じ。ブーケをキャッチしたノエミが次なんじゃない?」
苦々しい思いで、返事に困っていると、ケンジが急に私の口元に触れ、
「生クリームついてる」
そう言って、なんだかいやらしい仕草で指を舐める。
突然、何をするのかと唖然としたが、
「あー⋯⋯なんか、邪魔してすいません」
元ファンだという男は、気まずそうに去っていった。
あれ⋯⋯?
「ねえ、ケンジ。もしかして、助けてくれたの?」
「ん?何のこと?」
どう考えても助け舟だったと思うが、ケンジはすっとぼけている。
昔から、ケンジは私が困っている時には、さりげなく助けてくれたっけ。
結局、私たちは独身男女の出会いの輪から外れたまま、意地汚く食べてばかりいた。
やっとお開きという時に、同じく独身の女友達は、
「なんかさぁ、あんまりいい男いなかったね」
「だよねー。婚活のアプリとかパーティで知り合う男と大差ない感じ。ブーケをキャッチしたノエミが次なんじゃない?」



