思えば、この花嫁は、昔から筋金入りの運動音痴だった。
ここで嫌な顔をするわけにもいかず、私は恥ずかしさに耐え、ブーケ片手に愛想笑いを見せた。
「あー⋯⋯恥ずかしいったらありゃしないわ」
「次の花嫁はノエミかもな」
ケンジがそう言ってからかうので、無言で睨み、やけ食いだ。
「なんか⋯⋯周りの雰囲気が、如何にも独身男女の出会いの場みたいになってるけど、ノエミは食べてばっかりでいいの?」
「ケンジこそどうなのよ」
その時、
「すみません。さっきから気になってたんですけど⋯⋯元ラズベリースイッチブレードのノエミさんですか?」
見知らぬ男がそんなことを聞いてきた。
私にとって忘れたい黒歴史で、殆どの人はもう忘れているはずなのに、覚えている人は覚えているようだ。
「僕、ファンだったんですよ。メンバー全員消息不明ですけど、まさかこんなところでお会いできるなんて感激です」
ここで嫌な顔をするわけにもいかず、私は恥ずかしさに耐え、ブーケ片手に愛想笑いを見せた。
「あー⋯⋯恥ずかしいったらありゃしないわ」
「次の花嫁はノエミかもな」
ケンジがそう言ってからかうので、無言で睨み、やけ食いだ。
「なんか⋯⋯周りの雰囲気が、如何にも独身男女の出会いの場みたいになってるけど、ノエミは食べてばっかりでいいの?」
「ケンジこそどうなのよ」
その時、
「すみません。さっきから気になってたんですけど⋯⋯元ラズベリースイッチブレードのノエミさんですか?」
見知らぬ男がそんなことを聞いてきた。
私にとって忘れたい黒歴史で、殆どの人はもう忘れているはずなのに、覚えている人は覚えているようだ。
「僕、ファンだったんですよ。メンバー全員消息不明ですけど、まさかこんなところでお会いできるなんて感激です」



